ページ13 報徳サミット

22日、桜川市大和ふれあいセンターシトラスで報徳サミットがありました。
報徳サミットは、二宮金次郎さんのゆかりのある全国の市町村が一堂に会し、意見交換等をおこないます。

桜川市には青木堰という金次郎さんのおこなった堰跡があります。
今はコンクリートの堰となっていましが、この堰で青木村は救われたそうです。
江戸時代後期、青木村を流れる桜川は水が減ったり、ときには氾濫したりと、農民を苦しめていました。
農民たちは次々と村を捨て、農家は30数戸になってしまいました。
残った農民たちは、桜町(現在の真岡市)で農村の再興をした金次郎さんに救いを求めます。
しかし、金次郎さんはなかなか手を貸してくれません。
金次郎さんは、人に頼るのではなく、自らがやる気にならなければ物事は成し遂げられないことを知っている人でした。
ゆえに、最初から人に助けを求める人には厳しく接しました。
やがて、そのことに気づいた青木村の農民たちは、田んぼや畑に生えていたススキや萱などを刈り取り、手入れを始めます。
自らがやる気になった農民たちを見て、金次郎さんも動き始めます。
そして、農民たちとともに青木堰をつくり、青木村は潤いのある台地へと生まれ変わりました。

これは歴史が語る本物のまちづくりです。
金次郎さんの教えは、至誠・勤労・分度・推譲からなります。
至誠は誠実な心、勤労は至誠に基づく行動、分度はわきまえのある消費、推譲は分度して残ったものを譲ること。
至誠・勤労・分度・推譲を行っていくことで、はじめて人は物質的にも精神的にも豊かに暮らすことができるというのが金次郎さんの教えです。

まず正しき心を持つこと。
その心に基づき自らが行動すること。
必要なものにはきちんとお金や物を使うこと。
残ったものは分け与えること。
やる気ももたず、最初から人に頼るようなやり方はよろしくありません。
また、正しき心は、うそかまことかで物事を見る目から生まれます。
損か得かでしか物事を見ない人は正しき心を持つことはできません。

報徳サミットは、改めてまちづくりを見つめるよき機会となりました。
特に、次代を担う子どもたちの発表が素晴らしかったです。